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スポーツ上達のメンタル、7つの要素 アバンド契約選手(トライアスリート)竹谷賢二

⑤フロー、部分でなく流れで捉える(過程と結果)

全ての出来事は因果応報、良因良果、悪因悪果であり、原因があり結果となっていることは誰もが理解できることでしょう。良いレースの結果にはトレーニングに良い原因があることはわかると思いますが、例えばランニングでの膝の故障という悪い結果には悪い走り方に原因があると言えます。
結果という部分だけに目を奪われることなく、流れを辿っていくことで物事を一連の流れ“フロー”として全体的に捉えられる意識を持ちたいものです。

前回の「物理を感じる」で説明した力とエネルギーをフローとして捉えることが出来ると、何を意識して、どこを大切にしなければならないかも見えてきます。自転車のペダリングで説明していきましょう。

進むためにペダルを漕ぐ意思→神経伝達→筋肉の収縮弛緩→ペダルに力が伝わる→クランクに伝わる→ここから力は分岐します。
一つはギアからチェーンに伝わる→チェーンがリアギアを引っ張る→リアホイールが回る→タイヤと路面に摩擦生じる→路面を押す反作用でバイクが前に進む
というフローが成り立っています。
もう一方の分岐はクランクからBBに伝わりフレームを押す力となっていき、フレームを押す→バイクの挙動が乱れる→ハンドルが乱れる→ハンドルを上半身で抑え込む→全身疲れながらバイクはブレながら進む、という状態に陥ったり、フレームからの反作用→脚に返る力→衝撃が緊張となり筋負担となってしまいます。

頑張ってペダルを踏む、回す、ペダルに対する筋出力の部分だけ意識するのではなく、かけた力でどれだけ進んでいるという因果を捉えることが出来なければ、良いペダリング、良いスキル獲得には到底及びません。

膝の故障はまさにこのフローの誤りで起きている可能性もあります。ランニングの膝の故障は、本来着地で地面をまっすぐ体を押すような働きかけられれば、まっっすぐ反力を返してもらえて負担なく前に進んでいくことが出来ますが、これが斜めに力をかけると斜めに返され膝に斜めの力がかかり無理な方向にねじられ故障に繋がります。
体と着地という間にある部位と動きにすべからく因果があると言え、頭、胸、肩、腕、背骨、腹、腰、股関節、大腿、膝、脛、足首、足裏、地面、それぞれの位置と力の向きの繋がりを意識しながら動きをコントロールしていく必要があります。

ペダルでも地面でも接してるところは意識しやすいものですが、全体に意識を張り巡らして力はどこから始まりどこに辿り着くのか、その流れを整えていくことが練習であり、整えていける人こそがどんなスポーツでも上達できる人だと言えます。

フローを意識するポイントとしては、中心から末端へ、上から下へ、大きな方から小さな方へ、といった向きが重要となります。“風が吹けば桶屋が儲かる”というような因果を意識し考えながら練習していきましょう。